晶燦

あそび

2021/08/25

部屋の中で蜘蛛を見つけたらどうするかって、結構割れると思う。

多分やけど、戦う、逃す、逃げる、放置の四択。

もし、Gとか蚊だったら、殺虫剤と物理攻撃で滅多撃ちやん。

彼らとエンカウントしたら絶命させるまでがセットやから、四択どころか一択よな。

もはや彼らを倒すために人類は日々研究を積み重ねてきてるといっても過言ではない。

もっとも蚊は人間の脅威やしな。痒いわ、病気媒介するわで、ほんまに厄介さんやで。

 

今日は、リビングで蜘蛛を見つけた。

私は、蜘蛛に関しては殺さない派なので、逃すか放置のどちらか。

理由は芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を信じているから!!!

 

と言うのは半分冗談で、人間に害を及ぼさない生き物やから。

見た目がほんまに無理って人以外は理解してくれはるかもしれん。

(ただ毒蜘蛛は、任せる。何回か接触あるけど、基本逃してる。)

見た目が苦手な人は仕方ない。

今から可愛らしくなってもらうのってなかなか難しいし。

私も蜘蛛に関しては糸が強くて、羽虫を食べてくれる以外にいいところ知らんし、面白いこと知ってる人いたら、教えてもらえると嬉しいです。

 

上の通りの理由で、私は蜘蛛を殺さないわけやけど、やっぱりちょっとだけ「蜘蛛の糸」を信じている。

作品の内容はご存知の通りやけど、忘れかけの人のためにあらすじを書いとこ。

 

地獄に落ちたカンダタが、生前に蜘蛛を助けたことを知ってるお釈迦さま。

お釈迦さまは蜘蛛の糸を地獄の池に垂らすけど、カンダタが自分だけ助かろうと後続の人々を蹴落としたり踠くうちに、糸が切れてしまう。

カンダタは彼に続いた人々諸共、地獄の池に逆戻り。

その一部始終を見届けたお釈迦さまは、悲しそうな顔でその場からお離れになる。

 

怖いくらいのリアリティー

欲に走って過ちを繰り返すところとか、めちゃくちゃ人間臭くて良い。

カンダタが所詮人間で、やや言い過ぎやけど、地獄にふさわしい器でしかなく、極楽に行く資格がないってことがよくわかる。

 

原作はここまでやねんけど、小学校の時、宗教教育の一環で、カンダタのその後を描いたアニメを見たから、それも書いとく。

地獄の池に再び落ちてしまった後、カンダタは後悔して改心する。

そして、お釈迦さまによって、もう一度チャンスが与えられるねん。

カンダタは地獄の池に垂らされた一筋の糸を、みんなとよじ登って、ついに極楽へと到着する。

 

このエピローグ、浄土真宗の「罪人こそ救われる」っていう考え方がめちゃくちゃ色濃いし、むしろ優しすぎるまである。

けど、カンダタはちゃんと気づいて、後悔できて、それを生かすことができて偉い。

お釈迦さまはそんなカンダタの変化に気づいて、チャンスをあげられて偉い。(何様)

こんなふうに書いてたら、この御二方の関係って理想の上司部下やな。

冗談は置いといて、特にカンダタの方に関しては、一人の人間としてとても大切やと思う。

やっぱり、色々なことを思い出させてくれる存在である蜘蛛を、無碍にはできへんよな。

 

あわよくばやけど、地獄に落ちたら、今まで逃した蜘蛛さん達がたくさん糸たらしてくれるかもしれん。

短時間にたくさん人助けられそう。

極楽に到着したカンダタも、悟り開いて、めちゃくちゃいい顔してたしな。

 

今夜はこのくらいで。おやすみなさい。